- アルバイトをやめて研究に時間を割きたい大学院生
- 博士課程進学を見据えている大学生・大学院生
現役の理系大学院生の筆者は、3つの理由から大学院生は給付型奨学金の獲得にチャレンジすべきと考えます。
- お金の心配なく研究に集中できる
- アウトプットするトレーニングができる
- 自分の未来に投資していただくという経験ができる
曲がりなりにも研究や学問を深めたい学生にとって、こんな恵まれた状況に自分を置くことのできる機会はそうそうありません。
一つずつ詳しく見ていきましょう。
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お金の心配なく研究に集中できる
言わずもがな、大学院生はまだ学生でお金があまりありません。
多くの人が学部生の頃からアルバイトで生活費を稼いでいると思いますが、大学院生になったからといって時給や仕送りの額が増えるわけではありません。
それなのに、学業は格段に忙しくなります。
- 基礎事項の勉強
- 先行研究の調査
- 実験・解析
- データの整理
- ゼミ発表
- 学会発表
- 論文執筆
…などなど、自分の研究テーマを持つと最初から最後まで一気通貫で担当しなければならないことが多く、非常に多くの時間を費やすことになります。
それに加えて、多くの人が並行して就職活動を行います。
- インターン
- セミナー
- ES執筆
- WEBテスト
- 面談
- 面接
…こちらもかなりの時間をかけないといけません。
こんなにやることがあって、しかも人生がかかっているのでテキトーには済ませられません。
本当に時間がない!!
給付型奨学金を獲得して本業に専念しよう
大学生・大学院生のみなさん、アルバイトをしていますか?
多くの人にとって、時間を切り売りして日常の生活費を稼ぐことがアルバイトをする目的だと思います。
その場合、基本的に時間が足りない大学院においてはアルバイトの優先順位は限りなく低いです。
そこで、奨学金獲得は一つの突破口となります。
奨学金は、その多くが優秀な学生が経済的な心配なく学業に集中できるように設立されたものです。
- 返還不要の給付型奨学金を獲得できれば、アルバイトを減らして本業である研究に集中できます。
- JASSOなどの返済が必要な貸与型奨学金でも、学会で優秀賞を獲得したり論文を発表したり、結果を残すと返済が免除となるケースが多くあります。
こうしたことから、研究活動に対する給料のような側面もあると言えるかもしれません。
給付型奨学金以外にお金を得る方法として、こちらの記事もご覧ください。
アウトプットするトレーニングができる
大学院生が給付型奨学金に応募する際、
- 実現したい人物像
- 自分の研究の説明
- 今後の研究計画
といった内容を数百文字以上の小論文として提出することが求められます。
また、多くの奨学金では定期的に研究の進捗状況を書類で報告する必要があります。
こうした書類を書くこと=アウトプットをすることは、自分の考えを整理する訓練になります。
アウトプットをするということは、考えやイメージを明確に言語化するということです。
自分の中で理解できていないことや迷っていることは言語化することができません。
そのため、アウトプットのための言語化が求められる機会を作ることで、
- 自分の研究や学習の現在地をはっきりと認識し
- わかったこととわかっていないこととを明確に選別する
ことができます。
博士課程進学者向け:申請書を書くトレーニングになる
博士学生は研究者としての性格も帯びるようになり、
- 日本学術振興会 特別研究員
- JST次世代研究者挑戦的研究プログラム
- 各大学院・研究機関独自のフェローシップ
などの研究奨励事業に応募することが通例となっています。
そのほか、様々な場面で研究費の助成金に応募するということもあります。
こうした際にも、
- 研究計画書
- 研究遂行力の自己分析
などの書類の提出が必要となります。
給付型奨学金の申請書を書くことは、こうした書類を書く力を養うためのトレーニングとなるでしょう。
参考:
自分の未来に投資していただくという経験ができる
アルバイトも、インターンも、そして究極はサラリーマンも、仕事をした人に対して均等にお金が配られているだけです。
しかし、奨学金を獲得する場合は違います。
自分が将来なりたい人物像、達成したい成果を語り、自分のために投資をしてもらうのです。
自分に投資していただくという経験は大人になるとなかなかできません。
子供の頃は
- 習い事をさせてもらったり、
- 塾や予備校に行ったり、
- 行ったことのないところに連れて行ってもらったり
と、自分のためにお金をかけていろんなことをさせてもらうと思います。
しかし、大人になってからは会社や事業を立ち上げて投資を受けるくらいしか、自分に投資をしてもらう機会はありません。
むしろ、大学院に進まず社会人として働き始めると、納税者としてお金を払う立場になります。
そんな中、自分に投資をしていただき、学生として責任をもって学業に取り組む期間を持てることは、他の人にはない貴重で尊い経験になります。
結果として授業や研究の成績も良くなれば、これ以上良いことはありません。
給付型奨学金の注意点
給付型奨学金の獲得には、いくつか注意点もあります。
進路に制約が出ないかを確認する
給付型奨学金の中には、給付終了後=卒業後に特定の業界や会社への就職が求められるものも存在しています。
完全に決断しきっている場合を除き、先にこうした制約を課すことは禁物です。
予め指導教員の先生に協力をお願いをする
給付型奨学金の獲得には、指導教員の先生の協力が不可欠です。
- 申請書へのアドバイスをいただく
- 推薦書の作成
といったことが必要になるからです。
給付型奨学金の応募は進学・進級する前の秋のタイミングから始まることが多いため、事前に協力をお願いしておくことが重要です。
まとめ
本記事では、大学院生が給付型奨学金にチャレンジすべき理由とその際の注意事項を解説しました。
- お金の心配なく研究に集中できる
- アウトプットするトレーニングができる
- 自分の未来に投資していただくという経験ができる
といった点から、大学院生は給付型奨学金にチャレンジすべきです。
ただし、
- 進路に制約が出ないかを確認する
- 予め指導教員の先生に協力をお願いする
といったことも必要です。
本記事を参考に、皆さんが有意義な大学院生活を送れるよう祈っています。
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